睡眠時無呼吸症候群
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睡眠時無呼吸症候群
現在、21世紀の国民病とも言われる睡眠時無呼吸症候群
(SAS:サス)が注目されています!!
いびきや眠気が気になる方、ご自分の睡眠に不安を感じる方は、健康維持のためにもお早めにご相談ください。
こんな症状は思い当たりませんか?
- いびきをかく
- いびきは気道が狭くなっている証拠!よく寝ているワケではありません!
- 寝汗をかく、寝相が悪い
- 無呼吸により、あえぐような呼吸するのが原因!
- 何度もトイレに起きる
- 実は無呼吸が神経を刺激し、夜間頻尿も引き起こします。
- 倦怠感や頭が重い
- 寝ている時間に身体が休めていないために引き起こります。
- 日中の眠気
- 何時間寝ても無呼吸が脳を刺激し、寝ていないのと同じです。
睡眠時無呼吸症候群とはどんな病気?
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)は、略して「SAS:サス」と呼ばれます。 睡眠中に呼吸が止まり、それによって日常生活にさまざまな障害を引き起こす疾患です。
SASの病態の多くは、空気の通り道(気道)が塞がる、または狭くなることによって起こる 『閉塞性睡眠時無呼吸症候群』です。
健常な方の気道
SAS患者さんの気道閉塞
実は患者さんの多い睡眠時無呼吸症候群
最近ではこの病気もよく知られるようになってきています。それもそのはずこの病気、国内で男性3~7%、女性2~5%いるとも言われている、患者さんの多い病気です。
SASになりやすい方は、肥満傾向にある40~50歳代の男性に多く、女性では閉経後に増加していきます。
また20歳からの体重変化が大きくなるにつれて無呼吸の程度はひどくなり、20kg以上増加(あるいはBMIが10以上増加)した場合にはほとんどの人が治療の対象になります。10kg以上増加でも治療の必要な方が多く見られます。
しかし最近の報告では、日本人は肥満の程度が軽くても形態的問題(あごが小さい・顔が長いなど)からSASを引き起こしやすい人種と言われていますので、やせ形の人でも注意が必要です。
睡眠時無呼吸症候群がもたらすリスクとは?放っておくと怖い病気!
- 起床時の頭痛
- 交通事故
- 糖尿病
- 過労死
- 小児の発育障害
- 頭が重い・倦怠感
- 作業ミス
- 脂質異常症
- 夜間突然死
- 集中力・記憶力の低下
- 落ち着きがない
- 脂肪肝
- 脳梗塞
- 日中の眠気
- 高血圧
- 心不全
- 認知障害
SASのセルフチェックをしてみましょう
あなたは今、どれくらい眠気を自覚していますか?
以下の8つの質問に対して「眠気の状況」を参考に、
当てはまるものに○をつけていき、その数字の合計を出してみてください。
あなたの眠気の状態がチェックできます。
眠気の状況
0:眠ってしまうことはない 1:ときに眠ってしまう 2:しばしば眠ってしまう 3:ほとんど眠ってしまう
- 座って何かを読んでいるとき(新聞、雑誌、本、書類など)
- 座ってテレビを見ているとき
- 会議、映画館、劇場などで静かに座っているとき
- 乗客として1時間続けて自動車に乗っているとき
- 午後横になって、休息をとっているとき
- 座って人と話をしているとき
- 昼食をとったあと(飲酒なし)、静かに座っているとき
- 座って手紙や書類などを書いているとき
13点以上あると、眠気の自覚症状があるといわれています。
点数が高ければ高いほど眠気の自覚が強く、何かしらの睡眠障害の疑いが高くなります。
簡易検査装置 スマートウォッチ
睡眠時無呼吸症候群の検査方法は?
当院では、写真のような簡易検査機器を自宅で使用し、睡眠中の無呼吸低呼吸指数(AHI)を調べます。
いろいろ装着しているように見えますが、センサーを張り付けたり巻いたりしているだけですので、痛みはほとんどありません。
この簡易検査を行うことにより、睡眠中の呼吸状態や、血液の中の酸素値などを測定することができます。
また、簡易検査の結果から、より精密な入院検査(ポリソムノグラフィー検査)が必要であると判断されるケースもあります。その際には、当院と連携している総合病院へご紹介が可能です。
自宅で行える睡眠検査器
腕時計型の器械で、鼻呼吸センサーが不要、指先と喉元に3つのセンサーを取りつけるだけなので、従来よりも負担の少ない検査ができます。
また、これまで1泊入院による精密検査をしないと分からなかった 睡眠の深さも、ご自宅で調べることが可能となりました。指先に装着する特殊なセンサーで、 睡眠時間、睡眠・覚醒の識別、無呼吸の状態など多くの項目を調べることができ、信頼性の高い検査を受けていただくことができます。
普段どのような睡眠を得ているのか知りたい方、既にCPAP治療をされていて、日中の眠気が改善しない・治療中の睡眠状態を知りたいという方、詳しくは当院までお気軽にお尋ねください。
ファイバースコープによる検査
耳鼻咽喉科で検査を行うメリットは?
いびきは、睡眠中に空気の通り道(気道)が狭くなり、そこを空気が通るときに粘膜が振動することによって生じる音です。つまり、いびきをかくということは、気道が狭くなっている証拠といえます。
そこで、当院ではファイバースコープというカメラを使うことによって、鼻からのどの奥まで、どこの部位が狭くなっているかを診断します。
副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎、鼻中隔弯曲症などの鼻の病気があると、鼻呼吸の抵抗が上がり、いびきが大きくなったり、CPAPをつけるのがつらくなります。
患者さんそれぞれにあったのみ薬や点鼻薬を使用して鼻の通りを良くしていきます。
また必要な場合は手術治療を併用します。
アデノイド肥大や扁桃腺肥大が原因の場合も手術治療を行います。
手術の場合は関連病院を紹介いたします。
睡眠時無呼吸症候群(閉塞型)の治療法は?
(1)CPAP(シーパップ)装置による治療
※CPAP療法
CPAPという装置から、ホース、マスクを介して空気を気道へ送り、圧力をかけて空気の通り道が塞がれないようにします。
CPAP装置
いびきや無呼吸が減少し、その作用で「眠気がなくなる」「夜間のトイレの回数が減る」といった症状の改善が期待できます。
また、CPAP療法にて血圧を下げる作用も報告されている、優れた治療法です。
最近の研究では、重症のSASを放置している場合は、10年間で30%に狭心症や心筋梗塞などの病気が起こるのに対して、CPAPを使用している方はその危険性がSASのない方と同じレベルになることが報告されています。
CPAPを使用した方では、無呼吸がとれ、心臓や血管への負担がとれることになります。
重症の場合は突然死のリスクが高くなりますが、軽症~中等症のSASでも放置しておくと、心臓や血管に対する負担を毎晩きたし、心筋梗塞、脳梗塞のリスクが高くなります。
(2)その他の治療法
- マウスピース
- 無呼吸の程度が軽い場合に適用になります。下あごを前方に固定して、空気の通り道を開くようにするものです。
当院で検査の上、CPAP治療の適応とならない場合、診療情報を提供して歯科に紹介すれば、保険での口腔内装置製作が可能となります。いびきがひどい方の場合著明に改善する場合も多くみられます。 - 手術による治療
- こどもでは、アデノイド肥大や扁桃肥大が無呼吸の原因となり、手術を行い改善する場合が多く見られます。
関連病院を紹介いたします。
(3)生活習慣の改善
- 減量
- 肥満が原因でSASになっている場合には、作用があります。
10kg前後の減量により、重症の方が中等症になり、CPAPから口腔内装置(マウスピース)に変更可能な場合もあります。
また食事療法、運動療法を並行して行うことによって、肥満に伴う数々の生活習慣病(高血圧・脂質異常症・脂肪肝・糖尿病・高尿酸血症)を改善することもできます。 - 横向きに寝る
- 少しでも重力の影響を受けないように、体を横向きにして寝ると症状が軽減する場合もあります。
- 減酒
- アルコールは、筋肉を緩める作用があるため、気道の閉塞を起こしやすくします。
また、寝つきが良くなることもありますが、夜中に目が覚めたり、浅い睡眠を増やしてしまう作用もあります。 - 鼻呼吸
- 口呼吸では舌が下がりやすくなるため、鼻で呼吸した方がいびきが少なくなります。
口にテープを貼る方法を指導いたします。